受賞作品

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お待たせしました！
第8回富士見ノベル大賞の結果を発表します。
442件ものご応募、ありがとうございました。

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総評

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数ある新人賞の中から、第８回富士見ノベル大賞へのご応募をありがとうございました。
応募総数442件にのぼるご応募をいただきましたこと、深く感謝を申し上げます。
今回もすべての作品について、1次選考から最終選考まで編集部員が拝読し、受賞作となる3作品を決定させていただきました。

今回の選考において、特に注目すべき変化としてはカクヨムからの応募を導入した点があげられます。これまでのクローズドな応募に加え、小説投稿サイトというオープンな場での募集を開始したことで、より読者の姿を意識された作品が増えたように感じられました。
読者の反応が直に伝わってくる場で磨かれてきたからこそ、より”求められる物語”を研究し、”届けたい相手の姿”を見据えた作品が増えてきたことは、受賞後にプロ作家としての活躍を目指していただくうえでも、とても重要だと思います。

一方、読者の姿を意識するがために既存の型に嵌ってしまい、オリジナリティが見えづらい作品が増えているという課題も今回の選考を通して見つかりました。この点において、今回最終選考に残った作品は皆”自分ならではの魅力”を作品に載せることに秀でていました。中でも受賞となった３作品については、それに加えてその魅力を読者に喜ばれる形で描き切っていた点が受賞の決め手となったと言えます。

優秀賞の「聖女は死の円環を解く」は、聖女選定の儀式で次々と候補者が殺されていく中、容疑者とされてしまった主人公が何度もループしながら誰も死なない結末を目指すというミステリー要素を含むファンタジーです。魔法×ミステリーという掛け合わせは非常に難しく、ともすればご都合的な設定や展開に陥ってしまうこともありますが、本作においては堅実にミステリーに向きあうことで新たな相乗効果を生み出している点が傑出していました。より理解しやすい設定の上でトリックを組み上げる、丁寧に伏線を回収する、共感し応援したくなるキャラクターを意識した描写を心がける。単純に難しいジャンルに挑戦したというだけでなく、読者に寄り添いつつも最後まで先の読めない展開を繰り広げるという、最も基礎的でありながらも難しい読書体験のコントロール力が突出しており、随所に読み手への配慮と工夫が感じられる完成度の高い作品でした。

入選の「王家公認、偽聖女です」は、かつて聖女によって守られた世界で今なお続く聖女召喚とそれを巡る利権問題に、主人公が偽物の聖女となって切り込んでいくというファンタジー作品です。こちらも人気のキーワードである「聖女」を用いつつ、召喚をやめさせるために極秘の国家プロジェクトとして聖女を演じるという新しい切り口が魅力的でした。また、設定面に重きを置かれることが多いファンタジー作品の中で、その設定の魅力だけに甘えることのない説得力のある描写と、共感性が意識された”主人公の物語”として描き切っていた点は最も評価できます。設定したテーマをちゃんと消化しつつもキャラクターを描くことを妥協しない姿勢、魅力的なドラマとしての演出力に一日の長がありました。

特別賞の「星はすばる、花はさくらぎ」は、妖の世界に迷い込んでしまった主人公が、人間界に戻るために神様に認めてもらえるよう料理とその知識で奮闘するという和風ファンタジー作品です。一つ一つは既存作品にもみられる要素ですが、和食に馴染んだ妖たちに洋食×ワインの知識で認められていくなど、本作ならではの視点でより新しい形にアップデートされ、こちらも最後まで心惹かれる物語に仕上げられていました。

改めて、今回受賞した３作品においては「読者を楽しませる」ことと「自分なりの視点を盛り込む」という２つの点におけるバランス力が決め手となったように思われます。
王道を目指すのであれば、既存作品にはない＋αの光るアイディアを盛り込むこと。逆にマイナーな題材を取り入れるのであれば、独りよがりにならないよう読むためのハードルを下げるような工夫を考えること。そういった読者の姿を見据えつつ自分なりの新たな風を作品に盛り込むことを、次回の応募に向けてのヒントにしていただければ幸いです。

既に次回の応募もフォームおよびカクヨムの双方にて受付中となっております。
富士見ノベル大賞は、広くエンタメ小説の読者に向けた書籍の刊行を目指す賞です。日々変化していくエンタメの波の中で、次なる時流を生み出す作品が本賞から生まれることを編集部一同、心より願っています。
第9回もたくさんの素敵な作品に出会えることを楽しみに、皆様からのご応募をお待ちしております。

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二次選考通過作品

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一次選考通過作品

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受賞作品は、順次刊行予定となります。

次回富士見ノベル大賞の受付を既に開始しております。

こちらより奮ってご応募ください。

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