神去り国秘抄 贄の花嫁と流浪の咎人
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日輪が消えた国で、贄の少女と追放された皇子の旅が始まる。
十年前に日輪が消えた国、照日原。その辺境の郷の姫・かさねは狐神の花嫁に選ばれる。だが花嫁とは、日照不足で不作続きの郷を救うための贄を意味していた。知らずに狐に喰われかけたかさねは、金目の青年・イチに助けられる。見返りとして彼が要求してきたのは、日輪を司る日神に会うためにかさねの「力」を貸すことだった。
戻る場所のないかさねはしぶしぶ同行を決める。しかしイチこそが日輪が消える原因を作り、都から追放された皇子だと気づき――。
運命に抗うための旅が、今始まる。心揺さぶるファンタジー開幕。
- 【定価】726円(本体660円+税)
- 【発売日】
- 【サイズ】 文庫判
- 【ページ数】 320
- 【ISBN】 9784040744209
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登場人物紹介
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かさね
莵道の郷の末の姫。箱入り娘のため、世間知らずでお人好し。
神々が棲む異界とひとが棲む世をつなぐ「天樹門」を開く力をもつことを、イチによって知らされる。
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イチ
金色の目をもつ青年。
照日原から日輪が消えた原因を作った皇子・壱烏(いちう)らしいとかさねに見破られる。
武芸の腕は立つが、そっけなく直截的な物言いをする。